【バイキングのロングシップはどこへ消えた?!】



伝説の8年モノが遠いビンテージになって久しい。
1994年から2004年まで閉鎖されていたスキャパ蒸留所。
その間にも近くのハイランドパークの職人たちが出向き、少量を作っていたという。
スキャパは古ノルド語でボートを現わす。

あのノスタルジックなヴァイキングの舟(戦闘舟はロングシップというらしい)がとSCAPAの秀でたロゴが本家のラベルから消えて久しい。
しかし実にうれしいことにGordon&MacPhail(以下GM)社のボトルには変わらず描かれている。

その”SCAPA 205-2018 Gordon&MacPhail蒸留所ラベル”のお話。

ハイランドパークの蒸留所と並んで、Scapaはスコットランド北部にあり、フランケンシュタイン博士がかの有名なモンスターをつくった島と同じ列島にある。
Orkneysは我々に確実に独特のインスパイアーを与える。
そこに住む人々は、母音と子音の間に何かを含んでいるような微妙な古代ノルド語がアクセントになっている。
このOrcadian(バイキングの末裔と称するオークニー島の住民)のアクセントのように、スコットランド北部のウィスキー蒸留所は変化が遅く、それはとても良いことだと思える。
スコッチウィスキー蒸留所で現存している唯一の樽型のロ-モンドウォッシュスティルについて言及するなら、このオールドスタイルのクラフトマンシップは結果として実に独特な、味わい深いものを創り出している。
今日、スコットランドの蒸留所が地理的にいかに違っているにも関わらず、ウィスキーはお互いに類似したものになり始めている。
この文化的均質化の一部は、大企業が相互に取引をおこない、技術を標準化することによるが、その一部は、特にインターネット上で、簡単にコミュニケーションをとる方法ですら行われている。
ウィスキーの世界でScapaのような頑固な古い先祖返りのようなウィスキーをサンプリングするのは実に爽やかだ。
同じようにエキセントリックなもう一つの蒸留所はEdradourである。
この奇抜な小規模な操作でも、一対のウォッシュスティルとスピリッツスティルだけで、いまだに独特の味わいのシングルモルトスコッチウィスキーを作り出していることは称賛に値する。
不思議なことにScapaはピートで乾燥した麦芽を使用していないし、また「地面からのブラウン」を避けるためにパイプを通って水を引いているにもかかわらず、仕込み水にはいくらかOrcadianピートの味が潜んでいる。
(2016年”Scapa Glansa”はピィーティなExウィスキーカスク仕上げ)
シェイクスピア的言いまわしでいうなら
“すべての公平な観点から、この魅力的で奇妙な”錬金薬”を作るために、ピート豊かなこの地の古きもの達からの恩返しとして、いくらかのピートたちがウォッシュスティルに忍び込んだ、ということだよ。”
現時点Scapaは16年もののリリースをやめた後、スタンダードなエイジドレンジでの販売はされていない。
「ニューコニサーズチョイス」「ディスカバリー」に続き、今回「蒸留所ラベル」が変更された。内容等に変更はないが、GM社は数多くのボトラー(独立瓶詰業者)とは異なり、原酒を樽の状態で仕入れることはなく、自前で用意した樽で原酒を仕入れるという手法に従っている。
1930年代のマッカランもそうであり、G&Mのディレクターの手腕がすべてを差配し、その生み出されたスピリッツは本家を凌ぐものがあまた存在する。
このことが長年にわたるG&Mと蒸留所の関係を物語っており、それこそがG&Mの真価だと考えられる。